ぺリオリスクテストでは、歯周病の種類(歯周病関連菌)や数が分かります。
・アグリゲイティバクターアクチノミセテムコミタンス(Aggregatibacter actinomycetemcomitans)
小さな球形に近い、非運動性、非芽胞産生性、糖分解性、好二酸化炭素性、通性嫌気性、グラム陰性の、両端の丸い桿菌。限局型若年性歯周炎の病巣から高率に検出され、健康な、あるいは軽度にしか罹患していない患者の歯肉縁下プラークからの検出率は低いとされています。
・ポルフィロモナスジンジバリス(Porphyromonas gingivalis)
黒色色素産生性バクテロイデス属に入り、これらは偏性嫌気性、グラム陰性、非芽胞産生性、非運動性桿菌で、血液培地で増殖すると、褐色あるいは黒色に着色したコロニーを作ります。進行した成人性歯周炎の病巣から、また、広汎型若年性歯周炎の病巣からも分離されます。歯肉の炎症の程度と歯肉縁下プラークに占める本菌の比率との間に相関関係があることも明らかにされています。
対照的に健康人あるいはまだ歯周炎に罹患していない歯肉炎患者の歯肉縁下試料からはまず検出されません。
・プレボテラインターメディア(Prevotella intermedia)
同様に黒色色素産生性バクテロイデス属に入り、進行した歯周炎患者のポケットから、しばしば多数のP.gingivalisと一緒に分離され、単独に存在することは稀です。P.intermediaは歯肉炎患者および健康な歯周組織を持つヒトの半数以上に存在しています。
・タネレラ・フォーサイセンシス(Tannerella forsythensis)
グラム陰性、非運動性、初期には球菌様を呈する 嫌気性桿菌ですが、時間が経つと、通例、先のとがった両端と膨れた中心部を示すようになります。本菌は歯肉炎や健康部位、または疾患の軽快した部位に 比べ、歯周組織破壊の激しい部位で高率に検出されます。
また、表在性や非活動性の病巣よりも、深在性で活動性の歯周病病巣でそれが顕著であります。
難治性歯周炎の指標として重要な菌種です。
・トレポネーマデンティコラ(Treponema denticola)
スピロヘータは、長くて細いグラム陰性嫌気性菌で、歯周病羅患部位の歯肉縁下プラーク試料からしばしば分離されます。人の腸管や泌尿・生殖器表面からも見つかり、いくつかの種は梅毒のような重篤な感染症の原因菌です。歯周病の病理発生における口腔スピロヘータの役割についてはまだよく解っていませんが、最も頻繁に分離される T.denticolaについては盛んに研究されており、歯周病の活動度や重症度と関連している、あるいはこの菌が免疫抑制作用に関わっているという報告などがあります。
また、治療された患者でスピロヘータの割合が高いと、それが低い場合よりも再発しやすいとの報告もあります。
・フゾバクテリウムヌクレアータム(Fusobacterium nucleatum)
Fusobacterium nucleatum(F.n.)は、線状の長いグラム陰性嫌気性菌で、デンタルプラークなどでは大きな体積比率で存在しています。ヒトの口腔内に常在し、菌の両端が尖って中心部がやや太いことから紡錘菌とも言われます。F.n.は、歯周病原性菌の1つでデンタルプラーク形成に中心的役割を担っていて、他の細菌と共凝集することによりバイオフィルムを形成します。
また、糖分解能がなく悪臭(口臭)の原因となる酪酸を産生します。