ドクターからの豆知識

《ドクターからの豆知識》なぜ歯の神経は残したほうがいいの?

2022.06.21更新

なぜ歯の神経は残したほうがいいの?

 

皆さんは歯の神経をとる、残す、といった言葉を聞いたことがあると思います。

神経をとった歯は、歯の寿命が大幅に短くなるため、多くの人は出来る限り歯の神経をとらずに治療を希望されます。

 

では、歯の寿命にもかかわる歯の神経の役割や、神経をとったらどうなるのかを詳しくみていきましょう。

 

一般的に歯の神経といわれるものは、歯髄といいます。

 

 

歯髄には無数の毛細血管や神経線維があり、象牙質に栄養や酸素を送ったり、歯に伝わるさまざまな刺激を感知し、脳に伝えたりします。

また、防御機能としての役割もあり、外部の刺激から歯を守り、細菌が歯の内部へ侵入しないよう働いています。

 

歯髄をとってしまうと歯に栄養や酸素が送られなくなるため、歯自体が脆くなり破折のリスクが高くなります。

また、刺激を感知しなくなるため、虫歯になっても痛みを感じなくなり、気付いた時には被せものの中で虫歯が大きくなっていることもあります。

 

 

しかし、歯の神経をとりたくない…と思っていても、ケースによってはとらなくてはならない事もあります。

神経をとって、根管治療が必要となるケースにはどのようなものがあるのでしょうか。

 

神経をとるケースとして最も多いのが、細菌感染によって歯髄にひどい炎症が起こっているときです。

虫歯で、何もしないときにでも歯に強い痛みを感じた時には、もう既に歯髄に細菌が侵入している事が多く、そうなってしまうと痛みをとるために、神経をとる必要があります。

ケースによっては、断髄といって神経を全部とらずに一部だけとることもあります。(これはドクターの診断によりますので、出来る場合と出来ない場合があります。)

 

また、強い痛みを感じても、放っておくと痛みは無くなりますが、それは歯髄が壊死して痛みを感じなくなるからです。そのままさらに放置すると根の先に膿が溜まってしまう可能性があり、状態によっては治療してもなかなか治らないこともあります。

 

 

福西歯科クリニックでは、残せる神経は残していく治療をしています。

患者さんのケースによっては、診断で残せない場合もあります。

しっかりと説明し、理解していただいた上で治療を行っていますので、わからないことがあればドクターに聞いてみてくださいね。

 

投稿者: 医療法人宝樹会 福西歯科クリニック

詰め物が取れてしまう原因

2021.10.06更新

詰め物

歯の詰め物(金属や、セラミックなどの詰め物・被せ物)が突然取れてしまった事を訴えて歯科医院に来院される患者様は多くいらっしゃいます。「せっかく費用もかかったのに、どうして取れてしまったのだろう」と不安に思うでしょう。
詰め物が取れてしまうことを歯科用語では脱離と言います。今回は脱離の原因について考えていきたいと思います。原因は大きく3つあります。

① 虫歯
キレイに詰め物をして治療が終了した後に、普段の歯磨きや歯科医院での定期的なお掃除を疎かにしていると、詰め物の下に虫歯ができてしまう事がとても多いです。
詰め物の縁から虫歯ができてしまう事で、歯と詰め物の間に隙間が生じてしまい、詰め物が取れてしまいます。
虫歯にならない為には、日々のケアをきちんと行うことがとても大切です。デンタルフロスも合わせて使用することで、歯ブラシでは届きにくい歯と歯の間の汚れを掻き出してくれるのでとても有効です。
また、歯科医院での定期的なお掃除に行くことで、自分では磨けていないところもキレイにしてもらえます。そして虫歯になりかかっている所を見つけてもらえて、虫歯にならないように処置し、注意して磨くべきところを教えてもらえます。
定期的に歯科医院にお掃除に行くのは面倒だと感じる方も多いと思いますが、詰め物を入れて、その後虫歯ができて、また詰め物をとって治療をすることは患者様にとっても、歯科医にとっても辛いことだと思います。そのような状況を回避する為にも定期的なお掃除はとても大切です。

② 詰め物への負担
歯ぎしり・食いしばり、あるいは噛み合わせによって詰め物へ過度な負担がかかり、詰め物が一部かけてしまったり、詰め物を装着しているセメントが緩む事で取れてしまったりすることがあります。
歯ぎしりや食いしばりは特に睡眠時に起きることが多いです。また噛み合わせは長い年月を経て変化してくる事があります。
このような事から歯を守るために、睡眠時にマウスピースを付けてもらっています。マウスピースをつけることで歯の移動を抑えて、噛み合わせのズレが生じないようにしています。そして、歯ぎしり・食いしばりによる歯への過度な負担から守る事ができます。
初めはマウスピースに違和感や気持ち悪さを感じる方も多いと思いますが、歯を守る為に毎日つける習慣を身につけなければ意味がありません。たまたま付けずに寝た日に歯ぎしりを無意識にしてしまい、詰め物に負担がかかり取れてしまうこともあります。このようなことを避ける為に、毎日装着して徐々に慣れていくことが大切です。

③ 経年劣化
詰め物を最終的に歯に装着する際に歯科用の接着剤を用います。「この接着剤で着けたら絶対に何年保ちます」と説明している歯科医は恐らくいないでしょう。なぜならば患者様のお口の中の環境は皆様違うので、一概に何年保つなど断言できないからです。その要因としては、歯並びや歯磨きの程度や、噛む力、唾液の多い人少ない人など様々な要因があります。しかし、①や②でお伝えしたように、日々の歯磨きや定期的な掃除、睡眠時のマウスピースをすることで詰め物が取れてしまう確率を低くしていくことができます。医療において「絶対」という言葉は存在しません。取れないようにいかに工夫していくかが大切です。

まとめ
 【詰め物が取れてしまう原因】
 ・虫歯
 ・詰め物への負担(歯ぎしり・食いしばり・噛み合わせの変化)
 ・経年劣化
 【取れてしまう確率を低くするためには】
 ・日々の歯磨きを丁寧に行う
 ・定期的な歯科医院でのお掃除に行くこと
 ・睡眠時にマウスピースを毎日つけること

いつまでも健康な歯を保ち続けられるようにともにがんばっていきましょう。

投稿者: 医療法人宝樹会 福西歯科クリニック

親知らずの話

2021.09.28更新

皆さん、親知らずって聞いたことがありますよね。
通常、歯は上顎にも下顎にも14本ずつ、上下で28本あれば十分満足した咀嚼ができます。つまり、中切歯から第2大臼歯まで揃っていれば正常な状態なのですが、親知らずは、その第2大臼歯の後ろに生えていて、第3大臼歯と呼ばれています。多くの方は、顎の奥には十分なスペースがないため、親知らずが真っ直ぐに生えることは少なく、無理な生え方をしています。そのため、生える方向が歪んでいたり、十分に生えきれずに歯茎の中に埋まっている状態になっていることが多いのです。そのような親知らずでは、上下をきちんと咬み合わせることができないため、そこで噛むという機能が失われています。それどころか、残しておくことの悪影響が多いことを知っておいて下さい。

まずは、親知らずの位置まで歯ブラシを届かすことが難しいため、多くは虫歯になっていきます。しかし、その虫歯は親知らずに留まらず、その前の第2大臼歯に波及することが大きな問題です。とくに第2大臼歯と親知らずの間に虫歯ができることが多く、そのため十分な治療ができないことがあります(お口を開けることに限界があり、器具や器材がそこまで入らないことが要因です)。

次に、これは下顎に多いのですが、親知らずが生えきれずに、歯茎の中で斜めや横に向いていることがあります。この場合、歯茎の上に親知らずの一部分が出ているのですが、その歯茎の周りが腫れて痛みが出ることがあります。親知らずのあたりが痛いということで緊急に当クリニックに来られる患者さんも多くおられます。これは、”智歯周囲炎”と言って、中途半端に生えている親知らずの周りの歯茎が細菌感染を起こして、炎症が拡がっている状況です。その状態を放置することで扁桃や喉の奥まで感染が拡がり、ひどい場合は入院しなければならないこともあります。幸い現代の医学では、よく効く抗生物質があるため、すぐにお薬を服用することで、そこまで感染が拡がることは防ぐことができます。

親知らず

では、そのような親知らずがある場合、どうすればいいのでしょうか?答えは、抜歯をすることをお勧めします。本来は、そのような悪影響や症状が出ていないときに抜歯をしておくことがいいのですが、患者さんの気持ちとして、”痛みも腫れもないのに、痛い思いをして抜歯をするのはどうも・・・”と二の足を踏むことはよく理解できます。しかし、一生持たせたい第2大臼歯を守るためにも、また急な痛みや腫れが出て、すぐに対処できない危険性も含めて、時間的に余裕があるときに抜歯をしておくことも大切です。
統計をみますと、第2大臼歯を失う原因の多くが親知らずによる影響であることが分かっています。第2大臼歯を失うことで、咀嚼する効率が大きく低下することになります。そのため、入れ歯になる可能性も大きくなり、その時期も早まります。今は、インプラントの技術も進んでいますが、そのための時間や費用は大きな負担になります。もちろん、できるだけ自分の歯は残した方がいいので、もし不用な親知らずがありましたら、是非歯科医師と相談して下さい。親知らずがあるかどうかがご自分で判断できない場合でも一枚のレントゲン写真ですべて見つけることができます。

では、親知らずを抜く時の注意事項は何でしょうか?上顎と下顎では若干異なってきます。上顎では、副鼻腔(上顎洞)があり、その中に親知らずの根が入り込んでいる場合は、要注意です。抜くことで、その穴と副鼻腔が繋がってしまい、副鼻腔炎を起こすことがあります。また、下顎では、骨の中に下歯槽管という管があり、その中に太い神経と血管が詰まっています。抜歯をする際に、その神経や血管を傷つけてしまうと、神経麻痺や大量出血の危険性もあります。そのため、抜く前に親知らずの状況をしっかりと知るためにCT撮影は絶対に行う必要があります。

CTの画像を診査し、通常の(問題がない)状態の親知らずであれば、当クリニックで抜くことができますが、少しでも危険を伴うと判断した場合は、大学病院や口腔外科の専門病院に紹介致します。いずれにしても、術前にしっかりとした診査をして、安全で、安心して抜くことが大切です。抜いた後は、必ず翌日に洗浄に来ていただき、縫合をした場合は、1週間~10日後くらいに抜糸のために来院していただきます。抜歯後、上顎の親知らずは腫れることは少ないのですが、下顎で歯茎の下に埋もれている親知らずでは、大半が腫れます。そのため、十分な投薬(抗生物質と消炎鎮痛剤)が必要になりますが、多くの場合、1週間ですべての症状(腫れや痛み)が収まることが確認されています。
もし、早く親知らずを抜いておきたい(あるいは、抜いておいた方がいいかどうか知りたい)という患者さんは、当クリニックに連絡を下さい。適切なアドバイスをさせていただきます。

投稿者: 医療法人宝樹会 福西歯科クリニック

インビザラインの設定について

2021.07.05更新

マウスピース矯正(インビザライン)がワイヤー矯正(マルチブラケット装置)より優れている点

●インビザラインのデジタルを使用した設定について
従来のワイヤー治療では、ワイヤーの力でガタガタが改善していくため、治療後の歯の位置の予測することは困難でした。それに比べて、インビザラインはデジタル上で設定するため、治療前と治療後の歯の位置を比較することができます。それにより、どんなメリットがあるのかというと、治療前と治療後を比較したとき、前歯が治療前より前方に出てくるかどうか見ることができます。治療前より前歯が出てくると次のようなことが起こる可能性があります。①審美的に悪くなる。②歯が骨から出て、歯肉が下がる歯肉退縮が起こる。③あまりに出る量が大きいと歯髄壊死が起こる。
そのため、前歯が出ていくこと避ける方法として、図1のように奥歯から順番に全体的に下げる方法と図2のように、前歯が出ていかないように先に歯と歯の間をヤスリで少し削る方法があります。従来のワイヤーでは、先に並べてから、微調整をするために歯と歯の間を削るということが一般的でした。しかし、予測して先に削ることで、歯が骨から出て、歯肉が下がる歯肉退縮が起こる可能性を減らすことができます。これは、インビザラインの優れている点であると言えると思います。

  治療前治療後
      治療前  <図1>  治療後                          

 治療前2治療後2

     治療前  <図2>  治療後 
矯正日は月に2回です。無料相談も行っておりますのでお気軽にお問合せ下さい。

 

投稿者: 医療法人宝樹会 福西歯科クリニック

虫歯ではない歯の欠損とは…

2021.05.12更新

虫歯以外の原因で歯の一部が欠損していくことがあることをご存じでしょうか?
それらは歯科疾患の1つで、Tooth wearとよばれています。
特に、歯の根元の部分(歯と歯茎の境目付近)に、くぼんだような、あるいはえぐれているような欠損が出来ているのを見たことがある人もいるのではないかと思います。
その歯の根元に出来た欠損は、NCCL( Noncarious cervical lesion)と言われますが、今回はこのNCCLについてみていきたいと思います。

  歯

NCCLは様々な原因が重なって、形成されると考えられています。
・ 圧が強いブラッシングによる摩耗
・ 研磨剤を含む歯磨剤でのブラッシングによる摩耗
・ 酸蝕
・ 歯ぎしり・くいしばり
などが原因と考えられています。

少し前までは、NCCLの大半が咬む力(主に歯ぎしり・くいしばり)によるものとみなされてきました。
しかし、近年の研究や海外の文献により、咬む力によってNCCLが発生するという根拠があまりないことや、逆に歯磨剤を用いてブラッシングすることでNCCLが発生するということへの根拠が多く存在することから、NCCLの原因はブラッシングによるものではないか?という考えが広がってきています。

ここで、NCCLが進行するとどういった症状が出てくるのでしょうか。
神経がある歯であれば、冷たい水や風がしみたりする知覚過敏の症状がでることがあります。
歯の欠損が大きくても無症状な人もいれば、欠損が小さくてもしみる症状が強い人もいます。
虫歯による欠損ではないので、日常生活に支障がないのであれば、経過観察をしていきます。
しみる症状が弱い場合は、知覚過敏抑制剤が有効な場合もあります。
現在、いろいろなタイプの薬剤が開発されていますので、症状に合わせて使い分けています。
しみる症状が強い場合は、欠損部にレジン(プラスチック)の詰め物をすることがあります。
ただし症状がない場合でも、欠損があまりにも大きい場合は、それ以上の進行や破折を考慮して、レジンを詰めることもあります。

このようなNCCLへの治療をしても、原因を取り除かなければ、進行を止めることは難しいかもしれません。
歯ブラシは力を入れて握るのではなく、ペンを持つように、優しく丁寧に磨きましょう。
人によっては、歯磨剤の入った歯磨き粉を使うのをやめたり、毛先のやわらかめのブラシに変更してみたりするのも良いかもしれません。
こういった日々のブラッシングの習慣を見直すことでも、十分予防できます。

ご自分のお口を見てみて、NCCLかも?と気になるところがございましたら、歯科衛生士やドクターに相談してみてくださいね。

投稿者: 医療法人宝樹会 福西歯科クリニック

歯が脱落してしまったら…

2021.05.07更新

歯が抜け落ちたら

転倒したり、ぶつけたりして歯が抜けてしまったことはありますか。
育ち盛りの子供に多く見られます。
では、目の前で子供がこけてしまい、歯が抜け落ちてしまったらどの様に対応するのが正しいのでしょうか。

それを考える前に、抜けた歯なんて再利用できるのと思う方もいるでしょう。
結論から言うと、適切な状態で保存していれば使えますし、間違った方法で保存してしまうと使えないことが多いです。

そもそも歯の根っこの表面には歯根膜というものが存在しています。
抜けた歯を戻して成功するかどうかは、その歯の歯根膜が生きているかどうかにかかっています。
歯が抜け落ちて乾燥状態で放置していると歯根膜は18分以内では約70%の確率で生きているのですが
30分以上経ってしまうと約30%の確率でしか生きていません。
ですので、基本的には乾燥状態で持って来ていただいても歯根膜が死んでしまっていることがほとんどです。

また、生理食塩水につけて保存していると、2時間経過しても約60%の確率で生きています。
一方、水道水につけて保存していると、2時間経過すると約30%の確率でしか生きていません。

では、どの様に保存するのが正しいのでしょうか。
答えは牛乳です。
牛乳につけて保存していると約6時間歯根膜は生きていると言われています。

また、牛乳をすぐに用意出来ない場合には口腔前庭(唇と下の歯の間)に入れておくのも適切な方法です。
唾液により数時間は歯根膜は生きていられます。
しかしこれには注意が必要です。
小さい子供だと飲み込んでしまうリスクがあるのできちんと判断能力があり、飲み込まない事を理解している子供にのみ推奨します。

もし歯が抜け落ちても
ここに書いてあることを守ればもう一度、歯として使える可能性がありますので頭の片隅においていて下さい。

また分からないことがありましたら担当医にお尋ねくださいね。

投稿者: 医療法人宝樹会 福西歯科クリニック

知覚過敏って何ですか?

2021.03.22更新

知覚過敏

皆さん、冷たいものを食べたり、飲んだりしたときに歯がしみるって経験をおもちですよね。
こんなとき、まずは虫歯が悪化したことを疑いますが、意外と多いのが知覚過敏なのです。
ご存知のように、歯に穴が空くほど虫歯が大きくなれば、ご自分でも自覚はできますが、初期の虫歯は、レントゲンを撮らないと発見できないことも多いので、必ず歯科クリニックを受診して下さい。
そこで、虫歯ではないと分かったときに疑うのが知覚過敏です。
では、知覚過敏って何でしょうか?
定義では、「何らかの刺激が加えられたときに感じる痛みで、それは一時的なものである」とされています。
では、何らかの刺激って何でしょうか?
多くは、冷たいものを口に含んだ時ですが、その他に、冷たい空気を吸ったり、鋭利なものが歯に当たったり、柑橘系やお酢のような酸っぱいものが歯に触れたりした時に感じる痛みです。
でも、健康な歯には起こりませんよね。それは、歯の表面にはエナメル質があるからです。そのような痛みを感じる歯には、必ずどこかに象牙質が露出しています。象牙質には、痛みを感じるセンサーがあって、そこが色んな刺激によって反応するのです。
では、虫歯でもないのに、どうして象牙質が露出するのでしょうか?
大きな原因が3つあります。

1.夜に寝ているときにする歯ぎしりや食いしばりによって、エナメル質が擦り減って、象牙質が露出します。
2.柑橘系やお酢のような酸っぱいものによってエナメル質が溶かされて、象牙質が露出します。
3.間違った歯磨きをすることによって、歯の付け根の部分のエナメル質が

削れます。また、歯茎が下がり、根の部分の象牙質が露出します
では、それぞれについて説明します。

まずは、1からです。
私たち人間は、寝ている間に必ず食いしばりをしています。これは大脳生理学的に例外なくしていることとされています。よく言うレム睡眠期にしていることが分かっています。ただし、人によって食いしばる程度や時間の差はあります。その食いしばりの際に下のあごが左右に動くと、歯ぎしりになります。毎晩このような動きをしていると、歯と歯が強い力で擦られることになり、その結果エナメル質が擦り減って、象牙質が露出します。
では、この動きを止めることはできるのでしょうか?答えは、No!です。
そのために、知覚過敏の症状が出た方には、ナイトガードをお勧めしています。ナイトガードとは、基本は上の歯全体にマウスピースのような歯のカバーを装着します。ソフトタイプとハードタイプがあり、症状に合わせてどちらかを選択します。寝ている間だけ装着するものですが、その内面に知覚過敏抑制剤を入れることで、一晩中薬剤の効果を持続させることもできます。

次は2です。
私たちが口にする食物や飲み物は、ほとんどが酸性です。アルカリ性のものはほとんどなく、中性に近いものもわずかしかありません。今までの研究で、お口の中のpHが5,4以下になったらエナメル質が溶けることが分かっています。pHというのは、お口の中の酸性・中世・アルカリ性の度合いを表し、ゼロに近いほど酸性が強く、7が中性で、それ以上になるとアルカリ性が強くなるという指標です。エナメル質が溶けない飲み物は、お水、お茶、牛乳くらいで、他のものはことごとくpHが5,4以下であることを覚えておいて下さい。とくにワイン、チューハイ、ビール、コーラ、柑橘系の飲み物、清涼飲料水、カルピスなどはとくに酸性が強いため、要注意です。アルカリ飲料と謳っている飲み物も実はかなりの酸性なのです。
では、私たちはどうしたらいいのでしょうか?
飲みたいものを我慢するのは避けたいものです。答えは、飲んだ後にすぐにお水でお口を十分にすすぐことです。つまり、少しでも中和させることに努めなければなりません。ワインが好きな方には辛いことかもしれませんが、歯が溶けることを避けるためには是非していただきたいことです。

最後に3です。
間違った歯磨きや硬い歯ブラシを使うことによって、歯の付け根(歯茎の上の部分)がくさび型(V字型)に削れて象牙質が露出します。またそれが歯茎にも影響して、歯茎が下がってしまい、歯の根っこが見えてきます。根っこの表面にはセメント質という約50µmほどの厚さの組織があるのですが、非常に脆い組織のために、すぐに剥がれてしまいます。その下には象牙質があるため、歯茎が下がるとすぐに象牙質が露出することになります。
これは、皆さんが日頃の歯磨きを上手くしなければ解決しません。定期的なメインテナンスを受けられている方は、歯科衛生士が必ずチェックをしますので、正しい歯磨きのやり方を覚えて下さい。

では、知覚過敏になれば、どのような治療法があるのでしょうか?
一番手っ取り早くて、効果的なのは、知覚過敏抑制剤を使うことです。今まで多くの製品が出ていますが、即効性のあるものは少なく、また持続性にも限界がありました。しかし、多くの研究が進み、かなり効果の高い製品も出てきました。詳しくは、当クリニックにご相談下さい。

しかし、何よりも大事なことは、対症療法ではなく、原因療法です。まずは、知覚過敏の原因(主に上に書いた3つのこと)をよく調べて、その対処をすることが先決です。それと同時に対症療法を行いますが、毎日の歯磨きの際に使用する歯磨きペーストも選んで下さい。当クリニックでは、“シュミテクト”をお薦めしています。シュミテクトには、硝酸カリウムが配合されており、このカリウムイオンが、歯の神経周辺にイオンバリアを形成します。この働きによって、神経の伝達がブロックされ、知覚過敏による痛みや不快感を緩和します。

その他にも当クリニックでは、知覚過敏に関する多くの情報を基に、様々な方法を提供しております。“たかが知覚過敏、されど知覚過敏”と言われるように、知覚過敏を放置していると、歯髄に炎症が進み、神経を取ることもあります。ちょっとしみる程度だからって我慢していると、大きなしっぺ返しが来ることもあります。
もし、そのような症状がある方は、是非当クリニックに相談して下さい。知覚過敏に詳しい歯科医師と歯科衛生士が的確なアドバイスと治療を提供します。

投稿者: 医療法人宝樹会 福西歯科クリニック

歯周病と認知症の関係性はあるのか

2021.02.08更新

歯周病と認知症の関係性はあるのか?
「脳の老化を止めたければ歯を守りなさい!」

今回歯周病と認知症の関係性を示す上で、認知症専門医の長谷川嘉哉先生の書籍である「脳の老化を止めたければ歯を守りなさい!」を引用させていただきました。
なかなかインパクトのある書籍名ですよね。

歯を守りなさい

認知症に関して言えば、昨年亡くなられた初代ジェームズボンド役でもおなじみの、
ショーン・コネリー氏も晩年は認知症であったことが知られましたよね。
認知症は平均寿命の延伸に伴う、近年の超高齢化社会における人類の喫緊の課題になりつつある病と言えるのではないでしょうか。

そもそも歯周病はアルツハイマー型認知症だけでなく、誤嚥性肺炎、糖尿病、動脈硬化、脳梗塞、心筋梗塞、骨粗鬆症との関連が指摘されています。

・35歳を過ぎた頃から、私たちの脳には、認知症の原因物質が溜まりやすくなります。
その原因物質の発生源こそが口の病気である歯周病なのです。

・歯がない人はボケやすいは本当だった!噛めば噛むほど刺激で脳が活性化される。
歯がないとアルツハイマー型認知症を発症しやすいだけでなく、進行しやすいことも明らかになった。

・歯周病は脳を老化させる大きな原因である。

これらは書籍内で言及されているものの一部を抜粋したものです。

書籍内でも「35歳を過ぎれば歯のケアをこれまでとは変える必要がある。」
「本気で脳の老化を防ぎたいのであれば、定期的に歯科医院に通い、日々自分で行っている歯磨きを、プロに評価してもらう必要があります。」
と述べられているように、歯をしっかり温存するための『プロフェッショナルな歯のケア』が必要なのです。
他にも我々歯科医療従事者の立場からみても興味深いことがたくさん書かれてありますので、ご興味を持たれましたら一度読んでみてはいかがでしょうか?

3ヶ月に1度(どんなに期間が空いたとしても半年に1度)は歯科医院での歯のケアに通う習慣を身につけることが、変容への第一歩です。
いつまでも健康でいる為に、お口のケアから始めていきましょう。

最後にこの書籍内で私が気に入ったところをご紹介します。
「命は『口』に始まり、『歯』で終わります。それほどまでに命に直結する『歯』をみがき、『口』の中の清潔を保つことは、命そのものを健康に保つことでもあるのです。」

まずは、お気軽に当院までお問い合わせください。

投稿者: 医療法人宝樹会 福西歯科クリニック

薬剤関連顎骨壊死(MRONJ)と歯科

2021.01.08更新

皆さんは今までムロンジェやブロンジェ、ドロンジェという言葉を聞いたことがありますか?
MRONJ(ムロンジェ)とは、Medication-Related OsteoNecrosis of the Jawの略で日本語訳をすると薬剤関連顎骨壊死と訳されます。
 詳しく説明すると、MRONJとは骨粗しょう症のお薬であるビスホスホネート製剤やデノスマブ(ランマーク、プラリア)、あるいは抗がん剤であるアバスチン、スーテント、ラパマイシン、ネクサバールなどの使用中・使用後にお口の中の手術を行うと顎骨壊死(顎の骨が腐ること)が起こり、その腐った骨が粘膜や皮膚に出てしまうことが報告されています。BRONJ(ブロンジェ)とはビスホスホネート製剤が原因で起こるもの、DRONJ(ドロンジェ)とはデノスマブが原因で起こるものを指しますので、MRONJの中の一つがBRONJやDRONJであるという位置づけになっています。

骨粗しょう症とは、骨の強度が低下してもろくなり、骨折しやすくなる病気です。骨の強度を規定する要因としては、骨密度と骨の質(骨質)があります。骨の強度に関しては、70%が骨密度、残りの30%は骨質に影響されるといわれています。そして、骨の強度が低下する主な要因としては、女性ホルモンであるエストロゲンの欠乏、加齢、運動不足などの生活習慣の3つが考えられます。
 
 MRONJは約半分の人が歯を抜いた後の治癒不全として起こり、残りは歯性感染病巣(虫歯から起きた根の病気や歯周病)の放置や合わない入れ歯を使うことで出来た歯茎の傷が原因で起こります。初期症状は何もないのですが、進行すれば痛みや膿が出てきます。通常の骨壊死と異なり、骨壊死が限局化せず進行していく事が問題で、癌・骨転移患者で生じたMRONJでは有効な治療法が確立されていません。

 抗がん剤は休薬することは基本的に難しいので、ここからはBRONJ、DRONJについて考えていきます。

ビスホスホネート製剤やデノスマブを使用している方が歯科治療を受ける際に気をつけるべきポイントをQ&Aで見ていきましょう。

Q1 薬を止めることは必要か
A1 国内外ともに薬を止めることは推奨されておらず、BRONJやDRONJの予防効果は認められていない

Q2 抜歯はすべきか
A2 残せない歯はBRONJ、DRONJを引き起こさない為に速やかに抜歯するべきである

Q3 歯周病の治療はすべきか
A3 非外科的治療(メスを使わない、手術もしない)を主体として行う。再生療法は行わない

Q4 根管治療は行うべきか
A4 根管治療はしても良いが、歯根端切除術(歯茎をめくって根の先を切る手術)は行わない

Q5 被せ物や入れ歯で気をつけることはあるか
A5 被せ物は通常通りで問題ない。入れ歯は合っていなければ、合う様に調整するか新しく作り変える

Q6 インプラント治療はしても良いか
A6 して良い場合としてはいけない場合がある

Q7 インプラント治療後にビスホスホネート製剤、デノスマブを使用するとBRONJ、DRONJは起こるか
A7 起こる場合があるので注意が必要

Q8 インプラント周囲炎はBRONJ、DRONJを引き起こすことがあるかどうか
A8 引き起こす可能性が非常に高い

 特に注意したいのはQ7です。
骨粗しょう症は特に閉経後の女性がなりやすく、将来的にビスホスホネート製剤、デノスマブを飲まなくてはいけない状態になる方は決して少なくありません。ですので安易にインプラントを選択するのではなく、この様なリスクがあることを十分に考えた上での選択が必要になると思います。
 また、Q8も注意が必要です。
インプラントを入れた後にメインテナンスを継続的に行わなければ、誰でもインプラント周囲炎になるリスクが高くなります。これらの薬剤を飲まれている方はそれによってBRONJやDRONJを引き起こす可能性が高まります。ですので、メインテナンスがいかに重要であるかも分かって頂けたと思います。
 これらのお薬を飲まれている方は必ず担当医までお伝えください。また、分からないことや、ご不明点がございましたら直接、担当医までお尋ね下さい。

投稿者: 医療法人宝樹会 福西歯科クリニック

インビザラインの使用方法について

2020.12.07更新

●アライナーの装着時間と日数
インビザラインは一日20時間の装着が必要となります。これを1週間ごとに交換していきます。装置の装着時間が短いと歯が治療計画通りに動かないだけでなく、アライナーが歯に合わなくなるため浮いてしまいます。浮いてしまうと、良くない動きをしてしまい、ゴールから遠のいてしまうため、ずれが大きくなると作り変えが必要となります。作り変えをする際には、再度治療計画を立て直す必要があるため、インビザラインを再開するまで1カ月かかります。ですので、一日20時間の装着を目指しましょう。

●アライナーの取り扱い
基本はアライナー装置を入れてもらいますがご飯と歯磨きの時は外してもらいます。装着の際は前歯の方から装着し奥歯まで入れてもらい浮きがないようアライナーを押して装着してください。その後、アライナーチューイー(シリコン)を咬んで歯とアライナーをフィットさせます。アライナーチューイーを使用することで、アライナーがさらにしっかり入るようになります。

アライナー
●アライナー自体の管理方法
アライナーは歯磨きの際、歯ブラシで中性洗剤を併用し、磨いて下さい。歯磨き粉を使用すると、研磨剤が入っているためアライナーが削れる場合がありますので、使用は控えてください。匂いが気になるようであれば、洗浄剤を併用して下さい。

 

●アライナー装着時の飲食
飲食の際は、基本的にアライナーを外します。水、お茶であればアライナーを装着したまま飲んでも大丈夫です。お茶については、アライナーの着色の原因になりますので、気になるようであれば、控えてください。着色が気になる場合は、アライナー洗浄剤を併用して下さい。そして食後はすぐに歯磨きをして装着して下さい。
マウスピース
その他気になることや、わからないことがあればご相談下さい。
矯正日は月に3回です。無料相談も行っておりますのでお気軽にお問合せ下さい。

 

投稿者: 医療法人宝樹会 福西歯科クリニック

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