5-Dコンセンサス 歯の保存にこだわる

「5-Dジャパンとは、院長(福西一浩)が同年代の日本を代表する5人の歯科医師とともに2009年に立ち上げたスタデイーグループです。その歴史をたどれば、2008年に5人が意気投合し、日本最高峰のポストグラディエートコースを開催することを目標に掲げ、皆で月1回集まり、終日に渡り喧々諤々の議論を繰り返し、2009年に発足したという経緯があります。違うコンセプトを持った3つのスタディーグループで先頭を走ってまいりました。
発足して16年の月日が流れ、紆余曲折の中でアドバンス、ファンダメンタルコースを通じて1,000名を超える多くの先生方と一緒に勉学に励んできました。コースの内容は、随時ブラッシュアップを行いながらここまで歩んできましたが、ここにきて私たちが辿ってきた軌跡として、それらの内容を一冊の本にまとめたいという強い想いがファウンダー間で生まれてきました。
それから1年以上の歳月をかけて各ファウンダーがまとめあげ、同時に5-Dネクストを担う先生方にも参加していただき、5-Dジャパンの総力を結集した内容にしたいという熱い想いも込められた渾身の一冊がここに誕生しました。歯学は日進月歩で進化していく中で、現時点における5-Dジャパンの
コンセンサスをまとめた本となっています。是非多くの先生方に読んでいただけることを願っています。」
治癒の歯内療法 第3版

令和3年10月に待望の“治癒の歯内療法 第3版”が発刊されました。
第1版は2000年、第2版が2010年で、今回2021年の第3版となりました。10年ごとに改訂していく予定で、当初は2020年の上梓を目標としていましたが、あまりにも内容が豊富となり、1年遅れとなりました。
当院長の福西は、第1版、第2版に続き、今回の第3版も執筆と編著者として加わっています。
第2版の2010年からこの10年の間に、多くの新しい研究がなされ、また画期的な材料も開発され、歯内療法学の進歩には目覚ましいものがあります。“10年ひと昔”とはよく言ったもので、医学や科学の分野においても、10年という月日は次の世代の新しい世界に向かう一区切りの期間であると認識しています。
この第3版は間違いなく現時点での歯内療法学における新しい知識と技術が網羅されている本であると確信しています。より多くの歯科医師に読んでいただき、正当性のある治療を学んでいただきたいと願っています。
エンド由来歯痛

どんな人も歯が痛いのは耐えられません。その場合、多くの方は歯科クリニックを訪れ、治療を受けることになります。適切な診査を行えば、大部分の歯の痛みの原因は診断がつき、適切な対処をすることで痛みは消えていきます。でも、いくら調べても痛みがどこからきているのかわからないこともあります。また、痛くない歯を治療した後に原因不明の痛みを覚えることもまれではありません。
これらは、特に虫歯や根の治療をした後に起こることが多いのです。しかし、一般に原因がわからない歯痛に出会ったとき、ほとんどの歯科医師は「非歯原性歯痛」という診断を下し、“歯が原因ではないので自分の手に負えない”と治療を諦めることが多いという事実があります。果たしてそうでしょうか?この本は、タイトルを「エンド由来歯痛」(根管治療に由来する歯痛)とし、サブタイトルに~非歯原性歯痛への歯内療法からの挑戦~と題して、そのような原因不明の痛みに対する正しい知識と対処法を綴っています。
多くの臨床例を紹介し、それぞれの症例に対してどのように診断し、どのように治療すればいいのかを詳しく解説した渾身の一作です。この本は、長年、原因不明と思われる歯を治療し、多大なる実績を積まれた長谷川誠実先生が執筆されたものを私(福西 一浩)が監修させていただいたもので、後世に残る名著であると自負しています。
MTA

2018年2月に当院長が執筆した歯科医師向けの専門誌が出版されました。共同執筆は、大阪大学 歯科理工学講座の今里 聡教授で、大阪大学歯学部時代の同級生です。
近年登場した歯科材料の中で、非常に評価の高いMTAというセメントを客観的に評価し、従来の材料との比較も含めて検証した本です。また臨床家のために、操作性の問題などを克服し、MTAの特性を十分に発揮させるためのテクニックについても、直接覆髄、根管充填、穿孔部の封鎖、断髄・アペクソジェネシス、アペキシフィケーション、歯根破折への対応、逆根管充填、内部・外部吸収の治療など、多岐にわたり解説しています。
MTAを適用する指標となり、臨床で正当性をもって使用するための指針の書として、大きな注目を浴びています。
出版社(クインテッセンス)からのコメント
日本を代表する日本歯内療法学会 専門医(福西一浩)とバイオマテリアル研究の専門家(今里聡)に、MTAの各々の適応症で、効果を検証し、使い方をわかりやすく解説し、多くの臨床例を示していただきました。
書籍
(1)歯牙移植の臨床像(共著) | 「前準備としてのジグリング・フォース」 クインテッセンス出版株式会社、東京、1996年 |
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(2)アドバンス自家歯牙移植 適応症の拡大(共著) | 「GTR膜の自家歯牙移植への応用」 「移植歯周囲の付着歯肉の増強」 クインテッセンス出版株式会社、東京、2000年 |
(3)カラーアトラス 治癒の歯内療法(共著) | クインテッセンス出版株式会社、東京、2000年 |
(4)現代の治療指針 全治療分野とカリオロジー(共著) | 「コンポジットレジンのボンディングシステムは何を使用しているか」 クインテッセンス出版株式会社、東京、2003年 |
(5)こうして無菌の根管をつくった(共著) | 永末書店、東京、2004年 |
(6)う蝕治療のミニマルインターベンション 象牙質―歯髄を守るために(共著) | 「審美とMIの調和」 クインテッセンス出版株式会社、東京、2004年 |
(7)治療の流れを探って【4つの診療室】(共著) | 「臨床、命かけてます」 永末書店、東京、2005年 |
(8)目的別PMTCとオーラルケア バイオフィルム制御とオーラルケアの到達点(共著) |
「口腔内のリスク判定に基づくPMTC」 クインテッセンス出版株式会社、東京、2006年 |
(9)接着 YEAR BOOK 歯科臨床を支える“接着”のエビデンスとテクニック(共著) | 「新世代の修復材料~クリアフィルマジェスティと クリアフィルメガボンドFA~」 クインテッセンス出版株式会社、東京、2006年 |
(10)失敗しない歯髄保存療法(共著) | 「歯根未完成歯の移植から考察される歯髄治癒」 クインテッセンス出版株式会社、東京、2006年 |
(11)今日の歯科事情を考える(共著) | 「エンドドンティック レボリューション」 ~21世紀の歯内療法―過去、現在、そして未来~ クインテッセンス出版株式会社、東京、2007年 |
(12)これでわかる! 最新レセコン&アプリケーション | 「安心が集まれば信頼を生む、信頼が重なれば尊敬を生む」 クインテッセンス出版株式会社、東京、2007年 |
(13)現代の治療指針 歯周治療と全治療分野 編(共著) | 「コンポジットレジンのボンディングシステムは何を使用しているか」 クインテッセンス出版株式会社、東京、2008年 |
(14)薬'08/'09歯科 疾患名から治療薬と処方例がすぐわかる本(共著) | 「急性根尖性歯周炎」 「慢性根尖性歯周炎」 クインテッセンス出版株式会社、東京、2008年 |
(15)臨床のアクシデント&ピットホール その対処と予防法(共著) | 「歯冠形成時に露髄した」 「根管形成時(ポストコア形成時)に穿孔した」 デンタルダイヤモンド社、東京、2008年 |
(16)現代の治療指針 欠損・審美補綴と全治療分野 編(共著) | 「コンポジットレジンのボンディングシステムは何を使用しているか」 クインテッセンス出版株式会社、東京、2009年 |
(17)う蝕治療のガイドライン(外部評価者) | 永末書店、東京、2009年 |
(18)MIに基づく歯科臨床 治癒の歯内療法(共著) | クインテッセンス出版株式会社、東京、2010年 |
(19)薬 '10/'11歯科 疾患名から治療薬と処方例がすぐわかる本(共著) | 「急性根尖性歯周炎」 クインテッセンス出版株式会社、東京、2010年 |
(20)日常臨床で必ず使えるコンポジットレジン修復の一手 -適応基準、テクニック、マテリアルのすべて-(共著) |
クインテッセンス出版株式会社、東京、2011年 |
(21)薬 '12/'13歯科 疾患名から治療薬と処方例がすぐわかる本(共著) | 「急性根尖性歯周炎」 「慢性根尖性歯周炎」 クインテッセンス出版株式会社、東京、2012年 |
(22)薬 '15/'16歯科 疾患名から治療薬と処方例がすぐわかる本(共著) | 「急性根尖性歯周炎」 「慢性根尖性歯周炎」 クインテッセンス出版株式会社、東京、2014年 |
(23)う蝕治療のガイドライン(外部評価者) | 永末書店、東京、2015年 |