「歯茎の中にまで虫歯が進行した時の対処法」
2020.07.02更新
「歯茎の中にまで虫歯が進行した時の対処法」
虫歯が大きいので、歯を抜きましょうと
言われたことのある方も少なくはないでしょう。
虫歯が大きくても歯茎の上に健康な歯が残っていれば土台を立てて
被せ物を作ることが出来ます。
しかし、虫歯が歯茎の中にまで進行した場合は話は別です。
歯が残る条件の1つとして、
歯を支えている周りの骨から健康な歯までの長さが3mmあることが挙げられます。
なぜなら、その3mmが生体のバリアとなり
歯茎の中に周りの細菌が侵入するのを防いでくれるからです。
3mmない状態で被せものをすると
歯茎の中に簡単に細菌が侵入し、炎症を引き起こします。
また、歯自体が虫歯などでほとんどなくなれれば
被せ物をした時に維持力が少なくなってしまい
被せ物がポロッと取れてしまう原因にもなりかねます。
この様な場合に用いるのが矯正的挺出(=エクストリュージョン)という方法です。
簡単に言うと、歯をゴムの力で引っ張り上げるというものです。
もう少し詳しく説明すると、
①前後の歯にワイヤーをつける
②引っ張り上げる歯にフックを埋め込む
③ワイヤーとフックの間にゴムをかける
④2週間に一回ゴムを交換する
⑤歯が引っ張り上がったら、固定する(すぐ装置を外すと後戻りする為)
⑥装置を外す といった手順になります。
どれくらいの長さを引っ張るかで、期間は変わってきますが
おおよそ、1,5〜3ヶ月引っ張り、それと同じくらいの期間、固定します。
しかし、歯を引っ張り上げると
歯茎が一緒についてきてしまうことがあります。
そうすると、生体のバリアは獲得出来ても
肝心の被せ物が歯茎のせいでうまく被せられなくなります。
なので、この様な場合は
歯茎を下げる手術をしなければなりません。
そうすることで生体のバリアを獲得しつつ、
維持力の強い、取れにくい理想的な被せ物を入れることが出来ます。
もちろん、全てのケースで出来るわけではありません。
前歯では適応できることが多いですが、
奥歯で根っこが複数本ある場合は難しい場合が多いです。
また、歯を引っ張り上げることで
歯の頭と根っこのバランスが悪くなり、
グラグラ揺れ出す可能性が高い時も適応外になります。
気になった方は、担当医に聞いてみてくださいね。
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