《ドクターからの豆知識》歯の周りの歯茎について
2024.04.30更新
皆さん、こんにちは。
今日は、歯の周りの歯茎についてお話します。
歯茎には実は2種類あるのをご存じでしょうか?
簡単にいうと、「動く歯茎」と「動かない歯茎」があります。
「動かない歯茎」は、歯のすぐ傍に位置していて、角化歯肉ともいいます。
「動く歯茎」というのは、
歯から少し離れた位置にあって、
「動かない歯茎」から連続して頬の粘膜や唇の粘膜に移行していきます。
実は、この「動かない歯茎(角化歯肉)」
というのが大事になってきます。
歯を抜いたり、歯ブラシのし過ぎで歯茎が下がったりすると、
この角化歯肉が失われていくことがあります。
そうすると、歯のすぐ傍に「動く歯茎」が存在することになり、
歯ブラシの際に歯茎の痛みを覚えたり、
歯茎の腫れや磨き残しの原因となることがあります。
では、角化歯肉が失われてしまい、
「動く歯茎」が歯の傍に位置している場合、
どのような治療法があるのでしょうか。
治療としては、外科処置(手術)となります。
大きく2種類の手術があり、
一つは口の中の「動かない歯茎(角化歯肉)」を別の部分
(多くは上顎の内側の歯茎)から移植してくる方法
(遊離歯肉移植術/FGG)、
もう一つは歯の傍に少し「動かない歯茎」が残っている場合、
切って少し歯から離してずらして縫ってあげる(歯肉弁根尖側移動術/APF)
ことで「動かない歯茎」の量を増やせる可能性があります。
余談ですが、歯ブラシのし過ぎで歯茎が痩せて、
根が見えてしまっている場合に、
同様に上顎の内側の歯茎の中の組織だけ取ってきて、
見えてしまった根の上に被せるようにして
粘膜を移植する手術(結合組織移植術/CTG)もあります。
少し難しい内容だったかもしれませんが、
ブラッシングの時に歯茎の痛みや腫れを自覚している方や
歯茎が痩せて見た目が気になる方がもしいらっしゃれば、
FGG、APFやCTGについて、
是非気軽に、担当の歯科医師にお尋ねください。
尚、手術可能な症例は限られており、
手術不可能な場合もございますのでご了承ください。
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