MTAについて
2019.01.01更新
Mineral Trioxide Aggregate(MTA)
1990年代初頭にアメリカで開発され、日本では直接覆髄剤として2007年4月に承認されました。
ケイ酸カルシウムを基本とする無機セメントです。
特徴として、
①ほとんどの歯科材料は水分があると性能が低下しますが、MTAは水分と反応して固まるので、湿った環境であるお口の中で使用するのに適しています。
②MTAと水分が接触すると強いアルカリ性を示します。強いアルカリ性の環境下では細菌は生息できないため抗菌効果が期待できます。
③固まったMTAからはカルシウムイオンが溶け出します。これにより周囲の骨の細胞や歯髄(歯の神経)細胞を活性化し、治癒を促進します。
④これまでの材料は体の中に入ると異物と認識され炎症を起こしますが、MTAではその表面で細胞が増殖できる程、体にとって優しい材料です。
⑤固まると歯と一体化するため、封鎖性の点でも有利です。
これらの性質を利用して、 歯の神経の保護、難しいケースの根管充塡、穴やヒビの入った歯の修復、歯根端切除術、歯根吸収などの治療に広く用いられます。
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