《ドクターからの豆知識》虫歯ではない歯質喪失
2024.02.29更新
虫歯ではない歯質喪失〜Tooth wearとNCCL〜
皆様こんにちは。
虫歯ではないけど、歯が欠けていると言われたことはありませんか?
こういった症状をTooth wearやNCCLという専門用語で表現します。
Tooth wearは化学的・物理的に歯の表面が減ることです。
NCCLとはNon-carious Cervical Lesion
(非う蝕性歯頸部歯質欠損)の事です。
虫歯以外の原因で歯茎のきわの歯が減ることです。
同じように聞こえますが、原因と発生部位が少し異なります。
Tooth wearは発生部位の指定はありませんが、
NCCLは歯茎のきわに発生する欠損の事に限ります。
Tooth wearの原因は
・酸蝕(酸で歯が溶ける)
→この酸というのは酸性の飲食物・薬剤や胃酸の事です。
酸性の飲食物は、例えば炭酸飲料やアルコール。
お口の中に含んでいる時間が長いほど歯は溶けやすくなります。
・咬耗(歯同士が擦れて歯がすり減る)
→歯ぎしりによって歯の咬み合わせの面だけがすり減っていきます。
・摩耗(歯以外の異物と擦れて歯がすり減る)
→研磨剤が含まれている歯磨き粉を使用して、
不適切なブラッシングをしていると進行することが多いです。
酸蝕のみが化学的に歯がすり減る事で、
咬耗・摩耗は物理的に歯がすり減る事を意味します。
NCCLの原因は
・アブフラクション(咬む力が原因で歯がすり減る)
・酸蝕
・摩耗
と言われていましたが、
最近ではアブフラクションに関しては様々な議論をされています。
Tooth wearとNCCL、原因は様々ですが
患者様自身でこれ以上歯が欠けるのを
進行させない方法がいくつかあります。
摩耗に対する対策
・歯ブラシを正しい圧で使用する。
強く磨きすぎると歯茎が下がる原因にもなります。
・研磨剤が入っている歯磨き粉の毎日使用はやめる。
着色が気になる場合は使用頻度を週に1回程度に減らしましょう。
・歯ブラシの使い方や選び方が正しいか
今一度衛生士さんに再確認することも大切です。
酸蝕に対する対策
・酸性の飲食物の摂取を長時間するのは控える。
またお子さんが好んで飲むジュースや
炭酸飲料は時間を決めて飲むようにするなど、
工夫が必要になります。
・胃酸がよく上がってくる方は一度内科を受診してみることも大切です。
自分の歯を大切に守るために、一度お口の中を見てみて下さい。
分からないことや、ご不明点がございましたら、
担当医・担当衛生士まで直接お尋ね下さい。
ぜひご来院をお待ちしております。
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